Feb 26, 2005

正午に下る坂(1999.4.20)


腕時計は
汗でぬるぬるする
木の階段を上ると
青い深い靄が
空の底のほうに
化学実験のように
ちぎれていく
上りながら
かすかに少年の独唱が
耳に響いている
頂きに
暈をかぶっている自分が見えてくる

正午に
下る坂
針はただ一本の矢印になり
文字盤は花びらの付け根のように
白く見える

正午に未明に向かい下る坂
まひる
野の生理に下る坂
少年の声は小さくなり
青は濃く
昼の星がいくつか見えている

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://449741.ztxs.asia/~shimirin/blosxom/blosxom.cgi/poem/poem148.trackback
Post a comment

writeback message: Ready to post a comment.













Captcha:
To prevent comment spam, please retype the characters in this image:

Enter the text here: