Feb 26, 2005

砂の旅(1998.3.24)


犬の喉の音でふと目覚めると
明け方の街の音が遠くに聞こえる
環状線の車が走る音は
東のほうから小さな響きで
まだビルから出た2本の手の先では
光が点滅しているだろう

犬は眠っていて
猫は起きたのに気づき
しっぽを立てて
あいさつに来る

遠いノイズは冷たい空気を
伝ってくる
無音の時は
一刻もない

だから
砂は
滑り落ち
何回も旅に出る

微かな湿りが
アスファルト上に降る

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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