Feb 26, 2005

透明な回廊(1996.9.3)


木の葉がぼろぼろになっていくようには
あちらへの回廊は変質しない
透明なガラスが
さらに透明になって
ついに水が通るように
回廊は変質する
たしかにガラス片を踏んで
肉体が曲がるころ
ところどころ甘い飴でできた回廊には
血の染みが
点々と着いた

でも木の葉のような染みは
途轍もなく透明になることによって
床は虹色の本当の菓子になる
ガラス片はザラメであったかのように
往くのである
車窓からの眺めが
網膜に映り続ける
同胞が甘受したところへ
往かせない
同胞が謎に思ったところへは
往かせない

私の身近な空へ
引き寄せてしまう
それができるのは
高速度で往ける透明度が
あなたにすでに保証されているから
私の空にかならず
引き寄せてしまう

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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