Feb 26, 2005

葦を進む(1999.12.21)


空港は
かすかな醤油のにおいがする
冬はそういう
頑丈なにおいで
そのたびに
夏野の草いきれを
思い出す

街は
草がないにおい
あの
娼婦のにおいは
クスリくさいのにまじって
路地裏にたなびく

塩辛いのは
塩分を舐め尽くしてないからで
舐めつづければやがて無味に近い
体液に変わる

だから夏おもう冬に
川を渡る
もやがただよう葦を船が折り

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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