Feb 26, 2005
風のルビ(1999.12.7)
風のルビは
かぜ
電線のルビは
でんせん
整理すると 奥まったところに
砂が少しざらついていて
音が耳道にかすかに
通る
長い布の航跡は
泡立ち光の細かい粒に飾られている
おしゃべりをする
そのときのシャンプーの匂いのルビ
遠いところで本を重ねる
電車の中で読むために
駅前で買った文庫たち
並べて
糸の玉のように
明るい坂を
下りる
糸のルビは
いと
風のルビは
いつも かぜ
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