Feb 26, 2005

8800(1998.11.3)


地下鉄の遺失物係に電話する
書類の袋を網棚に忘れて
大急ぎで知らせる

彼は
8800という数が書かれた
薄いトレーシングペーパーを渡す
僕はある行の空白の部分にそれを
貼り付けるのかと思う

8800は裏から見ると0088
そして左右逆にしても0088で
彼がこちらに向けた8800を
信じるか信じないかで
変わってしまうことに困る

黒い塊である遺失物係は
ベッドの右に下がった僕の手を握って
何かを責める

これがあなたの忘れたものだというのではなく
電話するまでもなく彼はベッドの右にいる
塊であることを主張している

Posted at 09:39 in poem | WriteBacks (0) | Edit
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